プロポリスとは、ミツバチが木の新芽や樹液などを材料に作り出すものです。
私たち人間は、健康食品や化粧品などとしてプロポリスを使っていますが、当のミツバチたちはなぜプロポリスを作るのか疑問に思ったことはありませんか。
実は全てのミツバチがプロポリスを作るわけではありません。
ミツバチの中でも、プロポリスを作ることができるのはセイヨウミツバチで、日本に生息するニホンミツバチはプロポリスを作りません。
では、セイヨウミツバチはどのようにプロポリスを活用しているのでしょうか?
プロポリスとは、ギリシャ語で「前」「防御」を表すproと、「要塞」・「巣」を意味するpolisという2単語が組み合わされたものです。
つまり、「巣を守る」という意味を持っているのがプロポリスです。
ミツバチは3つの使い方で巣を守っています。
まずは、巣を補強する目的で使用します。
ミツバチは寒さに弱いので、巣の密閉性を高めて暖かさを保つ必要があります。
巣に隙間が開いていると、巣の中の温度が下がってしまいます。
さらに、外敵やバクテリアの侵入を許すことにもなりかねません。
そこで、巣の壁を補強したり、隙間を塞いだりするためにプロポリスが使われているのです。
プロポリスを使用することで巣の密閉性が高まると、今度は巣の中の温度や湿度も上がります。
すると、ミツバチだけでなく雑菌やバクテリアにとっても快適な環境になってしまいます。
ミツバチの巣の中は不衛生な状態になりがちなのです。
しかし、プロポリスには強い抗菌作用があります。
この作用によってバクテリアや病原菌、ウイルスなどの繁殖を防ぎ、巣内の快適な環境を守っているのです。
ミツバチの巣には、ごくまれにネズミや爬虫類などの侵入者が入ってきます。
通常、巣の中の異物は外に運び出すのですが、ネズミくらいのサイズの死体は大きいため、どうやっても外に運び出すことができません。
放置しておけば当然のことながらそのまま腐ってしまい、とても不衛生です。
そこで、ミツバチは腐敗を防ぐためにプロポリスで死体を塗りかため、ミイラのような状態にしてしまうのです。
人類がミイラづくりの際にプロポリスを防腐剤にしていたのは、ミツバチ達のプロポリス活用法を参考にしたからかもしれません。
ミツバチの巣は、ミツバチ自身が分泌するミツロウ(ビーワックス)からできています。
しかし、ミツロウだけでは巣の防御力が弱いので、セイヨウミツバチはプロポリスを使って補強するのです。
セイヨウミツバチは巣への執着が強く、同じ巣を補強・修復しながら長期間住むことができるようにしています。
一方で、プロポリスを作らないニホンミツバチは、巣への執着がさほど強くありません。
そのため、少しでも巣が壊れたり環境が悪化したりすると、巣を放棄して新しい巣に作り変えます。
つまり、プロポリスは同じ巣を使い続けるというセイヨウミツバチの本能によって作られ、使用されるのです。
ミツバチ達はプロポリスを上手に活用して生活しています。
プロポリスを活用することで、巣の防御性や清潔さを高め、長く同じ巣に住むことができるのです。
この恩恵にあやかってプロポリス製品を活用しましょう。